【第221回国会】結局なにが決まった?成立した法律を解説します。
- ひでと 川崎
- 7月29日
- 読了時間: 8分
どうも、川崎ひでとです。
先週7月25日、第221回特別国会が閉会しました。2月18日の召集から、8日間の延長を挟んで158日間。通常国会並みの長丁場でした。
この国会、新しく提出された内閣の法律(閣法)64件が、ぜんぶ成立しました。成立率100%です。条約も12件すべて承認されました。
ただ、ニュースだと「〇〇法が成立しました」の一言で流れていってしまう。それだと「で、結局なにが変わるの?」がまったく伝わらないんです。
なので今日は、頭の整理も兼ねて、この国会で成立した主な法律を分野ごとにかみ砕いてお伝えします。少し長くなりますが、気になるところだけ拾い読みでも大丈夫です。
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■ まずは数字でざっくり
✔ 会期は158日間(当初150日+延長8日)
✔ 新しい閣法64件は、ぜんぶ成立(成立率100%/憲法制定以降4回目)
✔ 条約12件も、ぜんぶ承認
✔ 「副首都法」「皇室典範改正」など、議員が出す法律もたくさん成立
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■【特に重要な法案】よくニュースでやってた6本
たくさんある中でも、「これは大きいな」というものを6本、先に紹介します。
◎ 副首都法(7月24日成立)
大きな災害で東京の機能がマヒしてしまったとき、東京以外に「代替の拠点=副首都」を用意しておこう、という法律です。国の機能を止めないための備えですね。あわせて、ふだんから東京一極集中をやわらげて、地方にも経済の軸をつくっていくために、税制の優遇なども盛り込まれています。連立の合意でも重要課題に位置づけられていた一本で、参議院では自民・維新・みらいに無所属の方の賛成も得て、ぎりぎりの終盤に成立しました。
◎ 皇室典範の改正(7月17日成立)
皇族の数を確保するための改正で、1947年に今の典範ができて以来、初めての「中身に踏み込んだ」改正です。柱は2つ。(1)女性の皇族が結婚されたあとも皇族の身分を保てるようにすること、(2)旧宮家の男系男子を養子として迎えられるようにすること。
衆参の正副議長のもとで与野党が何度も協議を重ね、「立法府の総意」としてまとめた上で法律にしました。政治的な駆け引きになりやすいテーマですが、静かな環境で丁寧に議論されたものです。
◎ 国家情報会議設置法(5月27日成立)
新しく「国家情報局」をつくり、国の情報(インテリジェンス)を集めて分析する司令塔を整える法律です。世界の安全保障環境がどんどん厳しくなるなかで、バラバラだった情報をひとつにまとめて判断する力を高める、というものです。
◎ 防災庁設置法(7月13日成立)
大きな災害に、国として素早く動くための司令塔「防災庁」を新しくつくります。各地で地震や大規模な火災が相次いでいますが、いざというときに指揮系統をはっきりさせておく、その土台になる法律です。
◎ 憲法改正手続法(国民投票法の改正/7月24日成立)
もし憲法改正の国民投票を行うとなったとき、その環境をきちんと整えておくための法整備です。過去の公職選挙法の改正に合わせる形でルールを更新しました。
◎ 国旗損壊罪法(7月17日成立)
これ、意外と知られていないんですが──これまで日本の刑法では「外国の国旗」を傷つけると罰せられる一方、「日本の国旗」を傷つけても罰する規定がありませんでした。この偏りを直して、日本の国旗を損壊する行為も処罰の対象にする、という法律です。参考人の方に来ていただいて意見を聞くなど、丁寧に議論した上で成立しました。
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■ デジタル・個人情報・金融 ―― ここは私の肝煎りなので少し力が入ります
この分野は特にお伝えしたいところです。
✔ デジタル行政推進法(7月10日成立)
これからの日本のAI戦略を進める上で、「データの利活用」をもっともっとしていこうというものです。民間でのデータ流通や、国のデータの利活用を謳ったものです。
✔ 個人情報保護法の改正(7月10日成立)
個人の権利をしっかり守ることと、データをうまく活かすこと。この2つのバランスを取り直す改正です。守るだけでも、使うだけでもダメで、両立させるのがこれからの肝だと思っています。
✔ 資金決済法・金融商品取引法の改正(7月15日成立)
これまで暗号資産は「売買の際の決済手段」として資金決済法に位置づいていました。しかし暗号資産を「金融商品」として投資等に使う事例も多数出てきたため、この度「金融商品取引法」に移行させたものになります。
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■ 安全保障・危機管理
✔ 経済安保法の改正(6月10日成立)
半導体や重要な資源など、「これが止まると国が困る」というモノの供給網(サプライチェーン)を、国内でしっかり築けるよう後押しします。
✔ 防衛省設置法の改正(6月26日成立)
防衛省の「人」の基盤――人材まわりを抜本的に強化する内容です。とりわけ副大臣を2名体制にすることが大きなポイントです。
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■ 暮らし・社会保障 ―― いちばん生活に近いところ
ここは、みなさんの毎日にいちばん直接ひびく分野です。少し厚めにお伝えします。
✔ 健康保険法の改正(5月29日成立)
医療保険の「持続可能性」を高めるための見直しです。高齢化が進むと医療費はどうしても膨らみます。放っておくと現役世代の保険料負担がどんどん重くなる。だからこそ、みんなが安心して医療を受けられる仕組みを、次の世代まで持たせるための手直しをしました。地味ですが、とても大事な一本です。
✔ 高校授業料の実質無償化(就学支援金法の改正/3月31日成立)
高校の授業料を実質的に無償化する方向へ、就学支援金を拡充しました。子育て世帯の家計にダイレクトに効くところで、「教育にお金がかかりすぎて進路を諦める」ということを少しでも減らしたい、という思いが込められています。
✔ 35人学級・教職員定数の改善(3月31日成立)
公立の小中学校の学級編制と、先生の数の基準を見直すものです。一クラスの人数が減り、先生の目が一人ひとりの子どもに届きやすくなる。教育の「質」を支える土台の改正です。
✔ 社会福祉法などの改正(6月19日成立)
福祉の現場を支える仕組みの見直しです。福祉サービスを必要とする方が、地域で安心して暮らせるようにするための改正が含まれています。
✔ 労災保険法などの改正(7月10日成立)
仕事中のケガや病気を補償する「労災保険」まわりの制度を見直すものです。働く人が万が一のときに守られる、そのセーフティネットの部分ですね。
✔ 医療的ケア児支援法の改正(7月24日成立)
日常的に医療的なケアが必要なお子さんと、そのご家族を支える法律ですが、今回、支援の対象を「重症心身障害者」にも広げました。ケアを担うご家族の負担は、外からはなかなか見えません。支える手を一歩広げる、あたたかい改正だと思っています。
✔ 予防接種法の改正(7月24日成立)
予防接種に関わる制度の見直しです。感染症から国民の健康を守る仕組みを、実態に合わせて整えます。
✔ ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律(7月17日成立)
少し専門的ですが、これは大事です。遺伝子を編集する新しい技術が進むなかで、生命倫理に関わる部分にきちんとルール(歯止め)を設けるための法律です。技術は便利さと危うさが背中合わせなので、走り出す前にルールを用意しておく、という姿勢の表れです。
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■ 経済・産業・エネルギー
✔ 所得税法の改正(3月31日成立)
国内投資を促す内容を盛り込みました。
✔ 特例公債法の改正(3月31日成立)
公債(国の借金にあたる部分)の発行の特例を、5年間延長します。
✔ 電気事業法の改正(7月17日成立)
電力まわりの制度を見直します。
✔ 建築物省エネ法の改正(7月24日成立)
建物のエネルギー性能を高めていく――光熱費にも環境にも効いてくる分野です。
✔ 科学技術・イノベーション創出活性化法の改正(7月13日成立)
研究開発や、新しい技術が生まれる土壌を後押しします。
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■ 地方・農林水産 ―― 地元・三重にも関わるところ
✔ 地方税法・地方交付税法の改正(3月31日成立)
地方自治体の財政の土台を支える、毎年の大事な改正です。
✔ 有人国境離島法の改正(7月8日成立)
人が住む国境の離島を守るため、国の支援を延長し、対象も追加します。
✔ 郵政民営化法の改正(6月19日成立)
全国の郵便局のネットワークを維持していくための改正です。郵便局は、地方では暮らしのインフラそのものですからね。
✔ 食育基本法の改正(5月20日成立)
食料安全保障への理解を深めます。
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■ その他の主な議員立法
✔ 運輸事業振興助成法の改正(3月31日成立)
運送業界への交付金制度を5年間延長します。
✔ 地震防災対策特別措置法の改正(3月31日成立)
学校の耐震化や施設整備を支援します。
✔ 公職選挙法の改正(7月13日成立)
SNSでの偽情報などによる「選挙妨害」に対処するための改正です。デジタルの負の側面に、ルールで向き合う一歩です。
✔ 歳費法の改正(5月29日成立)
国会議員の期末手当の引き上げを、見送りました。
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■ 継続審議 ―― 次の国会に持ち越したもの
いわゆる「定数削減法」(衆議院の選挙制度改革・定数削減の法律案)は、今国会での成立を見送り、次の国会であらためて目指すことになりました。議長のもとの協議会で1年以内に結論が出なければ、比例代表を45議席減らす、という中身です。ここは与野党が互いに譲り合いながら、引き続き丁寧に協議していきます。
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■ おわりに
こうして並べてみると、災害への備え、安全保障、デジタル、そして暮らしと社会保障まで、本当に幅広い分野で法律が形になった国会でした。
一本一本は地味に見えるかもしれません。でも、その一本が、どこかの誰かの生活や安心に、確かにつながっています。「成立しました」で終わらせず、その中身を、これからもできるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
国会や政策のもう少し細かい話は、音声配信「川崎ひでとのアップデート・ログ」でも毎回お話ししています。よろしければフォローしてやってください。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。




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