【毎週ヒデトーク】なぜ、あの公園にスタバが?「PFI」が僕たちのまちを劇的に変えている話
- anymama0274
- 10月29日
- 読了時間: 9分
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この記事は、stand.fmにて配信している
「川崎ひでとの【ひでトーク】」を 生成AIを用いて要約したものです。
また、この放送のMCは
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皆さん、こんにちは。衆議院議員の川崎ひでとです。この収録を行っているのは9月8日。日中はまだまだ「暑い!」が合言葉ですが、朝晩は少しずつ秋の気配も感じられるようになってきました。
今回の「毎週ヒデトーク」には、すっかりお馴染みとなりました、岐阜県在住のママ、「まっつん」さんにお越しいただきました。いつもありがとうございます。
まっつんさんの地元でも、秋祭りが真っ盛りのようですね。私の地元、三重でもお祭りはありますが、この暑さの中での準備は本当に大変です。これからは運動会や、うちの娘も「林間学校」に行く予定があったりと、少しずつ日常の行事が活気を取り戻しているのを感じます。
「林間学校」といえば、まっつんさんもカレーを作ったり、宿泊体験をしたりといった思い出があるようで、世代を超えて共通の体験があるのは嬉しいことですね。
実は、まさにその「娘が行く施設」が、今日お話ししたいテーマの入り口です。その施設はもともと「青少年の森」という名前の、県が運営する施設でした。それが今、民間企業の力によって、名前も中身もガラリとパワーアップして生まれ変わったのです。
この「民間の力で公共サービスを」という仕組み、皆さんは「PFI」という言葉を聞いたことはありますか?
今日は、まっつんさんとの会話をきっかけに、この「PFI」という、私たちの身近な生活—特に公園や公共施設—を劇的に変えつつある、非常に重要な政策について、詳しくお話ししたいと思います。
「PFI」とは何か? なぜ今、必要なのか?
「PFI」、まっつんさんも「何の略だろう?」と首を傾げていましたが、それもそのはず、まだまだ一般には知られていない言葉かもしれません。
PFIとは、**Private Finance Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)**の略です。ものすごく簡単に言えば、「これまで市役所や県庁が税金で運営していた公園や公民館などを、民間企業のアイデアとお金で、もっと魅力的に、もっと効率的に運営していきましょう」という仕組みのことです。
なぜ、こんな仕組みが必要になったのか。理由は簡単で、皆さんの地元の公園や公民館を思い浮かべていただければ分かります。
「公園の遊具が古くなってきたけど、なかなか新しくならない」
「草がボーボーに伸びているけど、管理が追いついていない」
「公民館が古くて、正直あまり使われていない」
こうした問題は全国の自治体が抱えていますが、人口減少と高齢化が進む中、税収は減り、公共施設の維持管理に回すお金がなくなってきているのです。かといって、自治会の皆さんだけで広大な公園の草刈りをするにも限界があります。
そこで、このPFIという手法が注目されています。
ケーススタディ①:公園 PFI 〜なぜ、あの公園にスタバができたのか〜
PFIの中でも、特にここ数年で全国的に大成功を収めているのが、**「Park-PFI(パークPFI)」**です。
私の地元、三重県四日市市にある「四日市市中央緑地公園」は、このPark-PFIの非常にわかりやすいモデルケースです。この公園、もともとは広大な芝生の公園でしたが、PFIを導入し、公園の中にスターバックスと、お洒落なイタリアンレストランを誘致しました。
「え?公園の中にカフェ?」と驚かれるかもしれません。これがPFIのすごいところです。
この仕組みを解説します。まず、四日市市は、スターバックスなどの民間企業に対して「公園の中でお店を出していいですよ」と許可を与えます。その代わり、スターバックス側は、自分たちのお店の売り上げの一部を使って、公園全体の管理(芝刈りや清掃、整備など)を行うのです。
この仕組みには、三つの「Win」があります。
【市(行政)のWin】これまで税金を投入して行っていた公園の維持管理費が、一切かからなくなります。市役所は懐を痛めることなく、公園を綺麗に保つことができるのです。
【企業(民間)のWin】スターバックスやレストランは、公園という非常に環境の良い場所に出店できます。そして、自分たちのお店の売り上げを伸ばすためには、公園自体が魅力的でなければなりません。だから、彼らも「もっとお客さんに来てほしい」と、自主的に公園を綺麗に整備し、魅力的な空間づくりを頑張るのです。
【市民(利用者)のWin】私たち市民は、税金の負担なく綺麗に管理された公園を利用できるだけでなく、「公園でコーヒーを飲む」という、これまでになかった新しい体験を手に入れることができます。
行政にありがちな「儲けよう」という発想ではなく、民間企業の「売り上げを上げたい」というインセンティブが、結果として公共の利益(公園の美化)に繋がる。これは、まさにPFIの理想的な形です。
まっつんさんも「全国の公園にスタバがある」とおっしゃっていましたが、その多くは、このPark-PFIという仕組みによって実現されているのです。
ケーススタディ②:公民館からポケモンの森まで
このPFIの可能性は、公園だけにとどまりません。
例えば、古くなってしまった地域の「公民館」。1階をお洒落なカフェにし、Wi-Fiを飛ばして若者や学生が宿題やNintendo Switch(笑)をできる場所に変える。2階はこれまで通り、おばあちゃんたちのサロン活動に使う。このカフェ運営を民間に任せることで、そこが学童保育の受け皿になったり、地域の新たな交流拠点になったりするわけです。
そして、冒頭でお話しした、私の娘が行くことになった施設。もともとは「青少年の森」という、少し堅苦しい名前の県の施設でした。ここもPFIを導入し、運営を民間に任せました。その結果、名前も「フォレストアドベンチャー・湯の山」といった現代的な名前に変わり(※筆者注:収録では「フォレストパーク」と表現しましたが、正確にはこのような名称です)、子どもたちがワクワクするような体験型施設に生まれ変わったのです。さらに、三重県では、このPFIと「ポケモンのミジュマル」がコラボした「ミジュマル公園」(みえ応援ポケモン)も誕生しました。まっつんさんもネットでご覧になったとか。
日本が世界に誇るアニメやゲームといったソフトパワー。これとPFIを組み合わせれば、人口減少に悩む地域であっても、国内外から人々を呼び込む「キラーコンテンツ」を生み出すことができる。ミジュマル公園では、特定のポケモンが出やすいといった噂もあるようで、PFIが地域の「息吹」を吹き返す原動力になっているのが分かります。
PFIの「光」と「影」― 水道民営化はなぜ難しいのか
このように、PFIは「民間に任せたほうが、より良くなる」分野で大きな力を発揮します。しかし、私は政治家として、この政策の「光」の部分だけをお話しするつもりはありません。PFIには、非常に慎重にならなければならない「影」の部分、すなわち「民間に任せてはいけない分野」あるいは「任せるのが非常に難しい分野」も存在するからです。その代表格が、「水道」です 。
公園や公民館と違い、水道は「命のインフラ」です。料金を上げたり、サービスの質を下げたりすることは、即座に住民の生死に関わります。
民間企業が運営を担う場合、彼らの最大の目的は「利益を上げること」です。利益を上げる方法は、突き詰めれば「売り上げを上げる(=水道料金の値上げ)」か「コストを下げる(=管理費の削減、水質の低下?)」の二択になりがちです。
この懸念から、水道事業のPFI導入には、全国で根強い反対の声があります。
現在、宮城県でこの水道PFIの実証実験が行われていますが、大きな議論を巻き起こしています。参政党の神谷代表が「PFI事業者に外国資本が入っているのではないか」と問題を提起し、それに対して村井宮城県知事が「海外資本ではない」と反論するなど、まさに今、政治の世界でバチバチと議論されている最前線のテーマです。
「なんでもかんでも民間に任せれば良い」というわけでは、決してないのです。
民営化の「成功」と「苦戦」の歴史から学ぶ
PFIは比較的新しい言葉ですが、「民営化」という大きな括りで見れば、日本には多くの歴史的先例があります。
大成功の例: NTT と JR「日本電信電話公社」(電電公社)がNTTになったからこそ、携帯電話が普及し、インターネットが発展しました。
「国鉄」がJRになったからこそ、サービスが向上し、私たちは快適に移動できるようになったのです。これらは、民営化が大成功した代表例です。
苦戦とジレンマの例: 郵便局一方で、小泉純一郎内閣時代に進められた「郵政民営化」は、非常に難しい局面にあります。なぜなら、皆さんが手紙を出さなくなり、中核となる郵便事業の収益が厳しくなっているからです。
しかし、郵便局は、単なる「手紙を届ける会社」ではありません。郵便配達員さんは、その地域のおじいちゃん、おばあちゃんの顔と名前を知っており、日々の見守りという、数字には表れない重要な「公共的役割」を担っています。私が総務大臣政務官だった頃(※筆者注:この収録後の未来)、まさにこのジレンマに直面しました。
マイナンバーカードの申請は、お年寄りには非常に難しい作業です。そこで、「一番身近な郵便局で申請手続きができるようにしよう」という政策を作ろうとしました。
しかし、ここで「民営化の壁」が立ちはだかったのです。マイナンバーカードの発行業務は、「公務員」でなければ行えないという法律の決まりがあります。郵便局が民営化された今、そこで働く局員さんは「準公務員」という扱いで、「公務員」ではないため、申請の補助的なお手伝いはできても、中核的な業務は行えないのです。
国民の利便性を高めたいのに、法律がそれを許さない。民営化がもたらした、非常にもどかしい現実です。
未来への提案 〜PFIで暮らしはもっと良くなる〜
このように、PFIや民営化は、分野によって向き不向きがあります。しかし、私は、公園や公民館のように「民間に任せたほうが暮らしが豊かになる」分野については、これからも積極的に推進すべきだと考えています。
例えば、水道の「検針」。今も検針員さんが各家庭を回っていますが、これは電力会社などと連携し、電気のメーターと同じ「スマートメーター」を導入すれば、検針の手間も人件費も大幅に削減できるはずです。電気と水道の検針を一本化し、浮いたコストを水道管の修繕に回す。これも立派なPFIの形です。
まっつんさんは、東海地方の公園、三重県の公園にもよく行かれるとお聞きしました。四日市市中央緑地公園、鈴鹿の森、そして津市の中勢グリーンパークなど、三重県は今、PFIの力でどんどん公園が魅力的になっています。
古い遊具を「懐かしい」と感じる気持ちも大切ですが、それらを安全に維持管理していくコストは莫大です。子どもたちが安全に、そして大人たちが快適に過ごせる空間を、税金だけに頼らずに実現していく。
PFIは、人口減少社会ニッポンが、豊かさを維持し続けるための「切り札」の一つなのです。前半戦は、このPFIについて、じっくりお話しさせていただきました。
まっつんさん、ありがとうございました。










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