地域の声を未来の力に!JAいがふるさと青年部の皆さんと農業の課題を語り合う
- HIDETO KAWASAKI
- 8 時間前
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2025年8月19日、山本佐知子農林水産大臣政務官、市川岳人市議と共に、JAいがふるさと青年部の皆様との意見交換会に出席いたしました。
日頃から日本の農業を力強く支えてくださっている皆様と、直接ひざを突き合わせてお話しできる貴重な機会となりました。ご参加いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
この意見交換会は、不安定な世界情勢による肥料・資材の高騰、後継者不足、米価問題といった、農業が直面する数多くの課題について現場の声を伺い、情報共有を深めることを目的として開催されました。活発な議論の中から見えてきた、特に重要なテーマについてご報告いたします。

中山間地域が直面するリアルな課題
深刻化する鳥獣被害
特にアライグマによる被害が年々増加しており、農家の方々が自ら捕獲に奮闘されているものの、被害に歯止めがかからない状況が報告されました。
現状、伊賀市ではアライグマ捕獲に対する直接的な報奨金制度がないことが明らかになりましたが、この議論をきっかけに、国や他の自治体の制度を参考に、市として補助金交付の計画を検討していくという前向きな方向性が示されました。
新規就農者への支援の必要性
新たに農業を始める方々からは、切実な声が上がりました。
5年間の就農給付金が終了した後の経営の厳しさ。
ハウスなどの設備投資コストが物価高騰で倍増しているにもかかわらず、支援額が変わらない現状。
栽培技術だけでなく、経営ノウハウを学ぶ機会やサポートの重要性。
意欲ある若者が農地を確保する際の信用の壁。
一方で、農業と福祉を結びつけた「農福連携」に取り組み、東京の店舗で自慢の産品を販売するなど6次産業化に挑戦されているという、先進的な事例の共有もあり、大きな希望を感じました。
地域の農地を守る「兼業農家」の存在
中山間地域では担い手不足が深刻化し、特定の農家への負担が集中しています。そんな中、地域の農地を守る上で重要な役割を担っているのが「兼業農家」の皆様です。しかし、現在の制度では、認定農業者でなければ補助金の対象とならないケースが多く、農業を守る最前線にいるにもかかわらず支援が行き届いていないという問題提起がなされました。
地域の共同体を維持するためにも、意欲ある兼業農家の方々を支援の輪に含めていく施策の必要性を強く認識しました。
未来の農業に向けた活発な意見交換
国の政策と現場の期待
山本佐知子政務官からは、令和9年度から始まる新たな水田政策の見直しについて説明があり 、これからの農業が、品目や生産性に着目した支援へと転換していく方向性が示されました。
参加者からは、飼料米などの戦略作物が今後も継続して作付けできるよう、魅力的な支援策を求める声が上がりました。
女性が活躍し続けられる農業現場へ
女性の農業従事者の方からは、現場にトイレがなくて困るといった、日常的かつ重要な課題が挙げられました。
国では、#女性が変える未来の農業推進事業 として男女別のトイレや更衣室、さらには託児スペースやアシストスーツの導入を支援する補助事業があることを私より紹介させていただきました。また、妊娠や出産、病気の際に生産活動が滞ってしまうことへの不安の声もあり、畜産業におけるヘルパー制度のような、いざという時に作業を代替できる仕組みの必要性についても議論が及びました。
喫緊の課題「水不足」と「害虫対策」
今年の猛暑による水不足は深刻な問題です。国が緊急的に開始したポンプの貸し出しなどの渇水対策支援について、「もっと早く情報が欲しかった」「来年も継続してほしい」といった現場の切実な声が寄せられました。皆様の不安を解消できるよう、来年度以降も継続的な支援を働きかけてまいります。
今回の意見交換会を通じて、農業現場の多様な課題と、それを乗り越えようとする皆様の情熱を改めて強く感じました。現場で奮闘する皆様の声こそが、実情に即した政策を作り上げるための原動力です。
いただいた一つ一つの貴重なご意見を、山本佐知子政務官、市川市議と連携し、国政、県政、市政の各々の場で政策に反映させるべく、全力で取り組んでまいります。
ご参加いただいたJAいがふるさと青年部の皆様、本当にありがとうございました。今後もこのような対話の機会を大切にし、皆様と共に日本の農業の明るい未来を切り拓いていきたいと考えております。

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