「フェムテック議連第四次提言書」を各省に提出いたしました。
- HIDETO KAWASAKI
- 6 日前
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この度、私たちが丹精込めて議論を重ねてきた「フェムテック議連第四次提言書」を、2025年5月21日に発表いたしました 。この提言書に込めた私たちの強い思いを、皆さまにお伝えしたいと思います。
フェムテックは、女性の健康課題を解決するための革新的な技術やサービスとして注目されていますが、私たちはその可能性をさらに広げたいと考えています 。この提言書では、フェムテックを単に女性の健康をサポートするツールとしてだけではなく、少子高齢化など日本が直面する社会課題を可視化し、その解決策を世界に提示する「手段」として位置づけています 。フェムテックの社会実装は、社会性と経済性を両立させ、ひいては「日本創生」に繋がるものと確信しています 。
提言の柱は大きく二つあります。
まず、「マルチチャネルアプローチ」によるフェムテックの普及です 。
これまでの企業(BtoB)や消費者(BtoC)へのアプローチに加え、企業の福利厚生、自治体の防災、保険者による予防といった、多様な主体が抱える課題解決の「手段」としてフェムテックを活用することを提案しています 。
例えば、女性活躍推進法の改正に合わせて、企業における女性の健康支援の取り組みを促すこと 、公的医療保険内で利用可能な製品の拡大を検討すること 、そして「第2世代交付金」なども活用しながら、自治体による女性の健康施策を後押しすることなどを具体的に提言しています 。
職場での乳がん・子宮頸がん検診の受診率向上や、健康診断における女性特有の健康課題に関する問診票の活用推進も、私たちが特に力を入れたい点です 。
次に、「良質な製品・サービスの拡充のためのエビデンス構築等と投資促進」です 。経済産業省の推計では、女性特有の健康課題による年間労働損失は3.4兆円にも上るとされていますが、フェムテックの導入が企業にどのような具体的なメリットをもたらすか、まだ十分に実証されていません 。
この不透明さが、企業がフェムテック導入に二の足を踏む要因となっているのが現状です 。
そこで、私たちはフェムテックが企業のプレゼンティーズムやエンゲージメント改善に有効であることを示すエビデンスの構築を求めるとともに、関連省庁にまたがるタスクフォースを構築し、流通、橋渡し役の育成、フェムテック税制などについて政府一丸となって議論を進めることを提言しています 。
また、市場に出回るフェムテック製品の品質の「玉石混交」状態を改善するため、第三者認証や自己宣言を含む品質担保スキームの検討支援や、品質・広告表現に関するガイドラインの策定も不可欠だと考えています 。
フェムテックは、月経・妊娠・出産・更年期といった特定の時期だけでなく、女性一人ひとりの人生を通じて現れる健康課題に、切れ目なく向き合うための重要な鍵となります 。個人の努力だけに任せるのではなく、職場、地域、医療現場などあらゆる場面で女性の健康を支える仕組みを整え、良質な製品・サービスが安心して利用できる環境を構築することが、私たちの目指す社会です 。
この提言書は、現場や産業界、学術界の皆さまからの声を丁寧にすくい上げ、社会を動かすための政策提言としてまとめました 。政府には、フェムテックを一過性の流行で終わらせることなく、女性のQOL向上、社会全体の生産性と持続可能性の向上、さらにはアジア諸国の希望となる明るい未来の創出に向け、積極的な対応を強く期待しています 。私自身も、フェムテックのさらなる社会実装に向けて、尽力していく所存です。
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