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【PMT研究会】日本の政策形成は「周回遅れ」? AI時代の新たなルール作りの最前線

皆さん、こんにちは。衆議院議員の川崎ひでとです。


先日、私が所属する自民党の「Policy Making Tech(PMT)研究会」の役員会で、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の専門家、平本健二さんをお招きし、「世界のリーガルテックの最前線」について学ぶ機会がありました。


そこで明らかになったのは、日本の法律や政策を作るプロセスが、世界の潮流から大きく遅れをとっているという、衝撃的な事実でした。今回は、その勉強会で得た学びと、私たちが直面する課題、そして未来への展望についてお話ししたいと思います。



世界の常識「ルール・アズ・コード」とは?


皆さんは、「ルール・アズ・コード(Rules as Code)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、法律や行政ルールを、コンピューターが解釈・実行できるプログラムコードの形で記述するという考え方です。


ヨーロッパやニュージーランドなどでは、すでにこの考え方が政策立案の現場で導入されています。 例えば、フランスでは「OpenFisca」という仕組みを使い、給付金などの制度をコード化しています。 これにより、何が可能になるのか。


  • スピードアップ: 法律が成立した瞬間に、それを実行するシステムが完成しているため、国民へのサービス提供が圧倒的に速くなります。


  • シミュレーション: 「この制度を変更したら、社会にどのような影響が出るか」「誰がどのくらい給付を受けられるか」といったシミュレーションが、法律を作る前に正確に行えます。


  • パーソナライゼーション: 国民一人ひとりの状況に合わせて、「あなたはこの支援金を受けられますよ」といった情報をプッシュ型で届けられるようになります。


法律の条文をただ電子化するのではなく、法律そのものを「動くシステム」として設計する。これが世界の新たな常識になりつつあるのです。


一方、日本の現状は?

翻って、日本の状況はどうでしょうか。

実は日本も、国民の皆さんから政策アイデアを募る「民意の発見と活用」の分野では、世界から高い評価を受けたことがあります。平井卓也デジタル大臣の時代には、オンラインで国民の意見を政策に反映させる取り組みが評価され、国連の電子政府ランキングで世界1位を獲得した実績もあります。



しかし、問題はその先です。集めた民意を、いかに迅速かつ的確に、実効性のある政策や法律という「社会の基盤」に落とし込んでいくか。その部分で、日本は海外に大きく水をあけられているのが実情です。 日本のリーガルテックは、企業の契約書チェックといった分野に留まり、政策形成という根幹の部分では、いまだに紙と人の手作業が中心となっています。

技術が数ヶ月単位で進化する現代において、1年単位で法律を作っていては、社会の変化に到底追いつけません。 平本さんのお話を聞きながら、私は「これはまさに悲劇だ」と感じざるを得ませんでした。


このままでは、日本は世界のルールメーカーから脱落し、単なるルール利用者に成り下がってしまう。私たち政治家は、まずこの強い危機感を共有しなければなりません。

このままではいけない。では、具体的に何をすべきなのか? AIを活用し、政策形成のプロセスそのものを変革することはできないのか?


【限定版(有料)】では、勉強会での議論をさらに深掘りし、私たちがこれから挑戦すべき「未来の政策づくり」の具体的なビジョンについて、踏み込んでお話しします。


 
 
 

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