【ホンネ会議37#】「茶色い水」の衝撃―亀山市2700世帯を襲った水道老朽化の現実と水道DXの必要性
- ひでと 川崎
- 12 分前
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この記事は、Spotifyビデオポッドキャスト「川崎ひでとのホンネ会議」をAIで要約したものです。
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皆さん、こんにちは。衆議院議員の川崎ひでとです。
11月7日金曜日、今週も『ホンネ会議』始まりました。
国会では、いよいよ衆議院で予算委員会がスタートしました。
高市早苗総理にとっては総理就任後初めての予算委員会であり、本会議以上に深い議論が交わされています。
これまでの岸田政権や、それを踏襲した石破政権とは異なるスタイルでのスタートということもあり、多くの議員が様々な質問をぶつけています。
高市総理は相当お疲れだと思いますが、今のところしっかりと答弁されており、私としては非常に安心感を持っています。
私も今は政府の一員(デジタル大臣政務官)ですので、出番があればしっかり対応したいと思います。
地元・亀山市で発生した深刻な「水道トラブル」
さて、今日は地元に戻ってすぐにこの収録をしています 7。
今、私の地元である三重県亀山市で、非常に深刻な「水道水の濁り」が発生しています。大きな災害があったわけではないのですが、11月1日(土)頃から突然、水道から茶色い水が出るという事態が発生し、もう1週間続いています。
発生地域: 天神一丁目~四丁目、和賀町、阿野田町、菅内町、下庄町、中庄町、三寺町 安知本町、田茂町、楠平尾町
影響範囲: 約2700世帯に影響が出ています。
現在の対応: 原因究明を急ぐとともに、給水車による給水、公民館の開放、入浴施設「白鳥の湯」の無料開放、食事(カレー等)の提供などが行われています。
私の後援会の会長は市内で歯医者を営んでいただいておりますが、水が濁っていては治療ができず、非常に苦しい状況にあると伺いました。
原因は「老朽化」か。待ったなしの日本の水道インフラ
現在も調査中ではありますが、おそらく原因は、水道管に長年蓄積したサビた鉄分が、高い水圧で一気に剥がれて流れ出したこと、つまり「水道管の老朽化」だろうと見られています。
水道のトラブルというと、能登のような地震や、道路の陥没事故をイメージしがちですが、こうした「サビ」による問題も、老朽化が引き起こす深刻な症状の一つです。
「水道DX」と「広域化」で未来の水を守る
実は私、自民党の「水道事業促進議連(水道議連)」の事務局長を務めています。
※ちなみに、上水道と下水道は昨年から両方とも国土交通省の管轄になりましたが、業界団体が異なる歴史的経緯から、議連はまだ分かれて活動しており、私は上水道の方を担当しています(会長はどちらも田村憲久先生です)。
私たち水道議連は、来たる2025年の補正予算に向けて、大きく2つのことを国に求めていく決議を行いました。
1つは、今回の亀山市のような老朽化施設の改修予算の確保。これは各市町の財政だけでは到底まかないきれません。
そしてもう1つが、「水道DX」と「広域化」の推進です。
高度経済成長期に一気に整備された水道管が、人口減少時代に入って維持困難になっています。
これを持続可能にするためには、効率化が不可欠です。
水道DX(クラウド化): 今は各市がバラバラに持っている管理サーバーを、クラウド上に集約します。同じ業務をやっているなら、システムを共通化することで、莫大な維持・更新費用を削減できます。
水道DX(スマートメーター): 検針員さんが一軒一軒回るのではなく、デジタルで自動検針できるようにします。
広域化: 伊賀市だけ、名張市だけ、というように市単位ではなく、地域全体で連携してシステムを共同利用し、浮いたコストを老朽化対策に回すのです。
導入には初期コストがかかりますが、これをやらないと日本の水道は守れません。
亀山市の早期復旧と、その費用負担について国としっかり連携していくとともに、こうした未来への投資も同時に進めていきたいと思います。
人口減少社会が突きつける「インフラ維持」の構造的難問
なぜ、これほどまでに水道DXや広域化を急がねばならないのか。その背景には、日本が直面している構造的で非常に辛い現実があります。
かつての日本は、高度経済成長の波に乗り、人口は右肩上がりに増え続けていました。都市は郊外へと拡大し、新しい住宅地が次々と生まれました。それに合わせて道路が整備され、水道管もまた、土の中でその距離をどんどん延ばしていったのです。当時は「作れば使う人がいる」時代であり、インフラの拡大こそが豊かさの象徴でした。
しかし、時代は完全に反転しました。人口減少社会の到来です。
想像してみてください。かつて賑わった住宅地で、空き家が目立つようになったとします。利用者が減ったからといって、「じゃあ、隣の家は空き家になったから、ここへ繋がる水道管はもう切断してしまおう」ということができるでしょうか? 絶対にできません。
その先にたった一軒でも利用者がいる限り、私たちは水道管を維持し、安全な水を送り届けなければならないのです。
利用者が減れば、当然、自治体に入ってくる水道料金収入は減少します。しかし、維持管理すべき水道管の総延長は変わらない。それどころか、高度経済成長期に一斉に整備されたこれら膨大なインフラが、今、一斉に更新時期を迎えているのです。
収入は減るのに、コストは跳ね上がる。これが、人口増加局面から人口減少局面へと転じた日本社会が抱える、インフラ維持の構造的な辛さです。
このジリ貧の状態で、単に対症療法的な修繕を繰り返していても、いずれ財政的にも物理的にも限界が来ます。将来世代にこれ以上のツケを回さないためにも、今、多少の初期コストをかけてでもDX化や広域化を進め、筋肉質で持続可能な運営体制へと転換しなければならない。それが私の確信です。
補正予算に向けた決意と、皆様へのお願い
現在、国会では予算委員会が始まっており、これから2025年の補正予算の編成に向けた動きが本格化します。
私たち自民党水道議連は、この補正予算において、老朽化対策と構造改革に必要な予算をしっかりと確保するよう、財務省に対して強く働きかけを行っていきます。
特に、今まさに濁り水で不便な生活を強いられている亀山市の皆様が、一日も早く安心して水道を使える日常を取り戻せるよう、復旧にかかる莫大な費用負担について、国としても最大限の支援ができるよう全力を尽くします。亀山市単独で抱え込ませるのではなく、国と自治体がしっかりと連携し、この難局を乗り越えていく覚悟です。
「蛇口をひねればきれいな水が出る」。この当たり前の日常が、実は当たり前ではなくなりつつある現実を、私たちは直視しなければなりません。
今回の亀山市のトラブルを対岸の火事とせず、日本全体の重要な課題として、引き続き全力で取り組んでまいります。皆様の応援を、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、また次回お会いしましょう。じゃあね!










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