日本経済を蝕む「デジタル赤字」の正体とは?円安と海外サービス依存の悪循環を断ち切るために、今やるべきこと。
- HIDETO KAWASAKI

- 11 時間前
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この記事は、音声配信「川崎ひでとのアップデート・ログ」をAIで要約したものです。
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皆様、こんばんは。衆議院議員の川崎ひでとです。 2026年2月15日、日曜日。
いかがお過ごしでしょうか。
「川崎ひでとのアップデート・ログ」としてリニューアルオープンしてから、今日で3回目の配信となります。
毎日決まった時間に配信したいと思いつつ、日々の公務や活動に追われ、気づけば夜の収録になってしまいました。
マイクに向かって「さて、何を話そうか」と考え始める、まさに筋書きのないログ(記録)ですが、これもまたリアルな私の姿として受け取っていただければ幸いです。
さて、この番組のリニューアルにあたり、メインの配信プラットフォームを「Spotify」にすると宣言しました。 その際、「日本のプラットフォーム(Voicyやstand.fmなど)を応援しなくていいのか?」「デジタル赤字の問題があるのに、海外製アプリを使うのか?」というご意見もいただきました。
そこで今回は、この「デジタル赤字」という言葉について、少し専門的な解説も交えながら、私の考えを深掘りしていきたいと思います。
「デジタル赤字」とは何か? 〜日本のお金が海外へ流出する仕組み〜
まず、「デジタル赤字」という言葉の定義から整理しましょう。 私たち国会議員や経済界の間では頻繁に使われる言葉ですが、一般の方には少し耳慣れないかもしれません。
簡単に言えば、「デジタル分野において、日本が海外に支払うお金(サービス料など)の方が、海外から受け取るお金よりも圧倒的に多い状態」のことです。
つまり、デジタルサービスを通じて、日本国内のお金がどんどん海外へ流出しているのです。
身近な例で考える「海外への支払い」
「私は海外送金なんてしていないよ」と思われるかもしれません。 しかし、私たちの生活は、意識しないうちに海外サービスに依存しています。
動画配信サービス: Netflix、YouTube Premium、Disney+ など
音楽配信: Spotify、Apple Music など
仕事道具: Zoom(有料版)、Microsoft 365(Word, Excel)、Google Workspace など
SNS広告: InstagramやFacebook(Meta社)、X(旧Twitter)への広告出稿
これらはすべて海外企業(主にアメリカ)のサービスです。 私たちが毎月支払っているサブスクリプション料金や、企業が支払う広告費は、最終的に海外企業の収益となります。
日本国内で生まれた利益が、デジタルのパイプを通って海外へ吸い上げられている。これが「デジタル赤字」の正体です。
デジタル赤字が招く「円安」の悪循環
「便利なサービスに対価を払うのは当然じゃないか」 確かにその通りです。しかし、問題はその規模と、それに伴う副作用にあります。
私たちが海外サービスにお金を払うとき、実質的には「円を売って、ドルを買って支払う」という為替取引が行われています(クレジットカード決済などで自動的に行われます)。 つまり、「円売り・ドル買い」の圧力が常に発生しているのです。
この圧力が強まれば強まるほど、円の価値は下がり、ドルが高くなります。これがいわゆる「円安」です。 円安になれば、輸入品(食料やエネルギー)の価格が高騰し、私たちの家計を直撃します。 さらに、円安が進めば、海外サービスの料金(ドルベースで設定されているもの)は円換算でさらに値上がりします。
海外サービスを使う。
支払いのために円が売られ、円安になる。
円安により、海外サービスの料金や輸入品が高くなる。
支払額が増え、さらに円が売られる……。
この負のループこそが、デジタル赤字がもたらす最大の弊害であり、日本経済の足かせとなっているのです。
日本のプラットフォームが勝てなかった理由
では、なぜ日本にはSpotifyやYouTubeに匹敵するような、世界で戦えるプラットフォームが育たなかったのでしょうか。 正直に申し上げますと、私が利用していた日本の音声配信プラットフォーム(Voicyやstand.fmなど)も、素晴らしいサービスではありますが、成長性やグローバル展開という点では、海外勢に大きく水をあけられているのが現状です。
もし私が使い続けることで、そのプラットフォームが劇的に成長するなら使い続けたでしょう。 しかし、一人のユーザーとして、また発信者として冷静に見たとき、サービス終了のリスクすら感じるほどの差が開いてしまっている。それが、私がSpotifyへの移行を決断した理由でもあります。 これは「デジタル敗戦」とも言える厳しい現実です。
デジタル赤字解消への処方箋:今、政府と私たちがやるべきこと
では、この状況を指をくわえて見ているしかないのでしょうか。 いいえ、諦めるわけにはいきません。 デジタル赤字を縮小し、日本の富を国内に還流させるために、私が考える具体的な対策は以下の3点です。
1. 「国産クラウド」の育成と採用(ガバメントクラウド)
特に深刻なのが、企業や官公庁が利用する「クラウドサービス(サーバー)」の分野です。 現在、Amazon(AWS)、Microsoft(Azure)、Google(GCP)の「3強」が圧倒的なシェアを占めています。 日本政府も、行政システムを動かす基盤として「ガバメントクラウド」を整備していますが、その認定要件(セキュリティや技術力)が非常に厳しく、現状では海外4社(上記3社+Oracle)が独占状態です。
唯一、日本の「さくらインターネット」が条件付きで認定されましたが、最終的な技術試験をパスできるかはまだ分かりません。
しかし、国としてセキュリティレベルの高い国産クラウドを育て、政府や自治体が積極的に採用していくことは、経済安全保障の観点からも、デジタル赤字削減の観点からも急務です。 ここには、政府としても大胆な支援と投資を行っていく必要があります。
2. 国内企業への「投資」を呼び込む(新NISAの課題)
もう一つは、お金の流れ(投資)を変えることです。 「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、新NISAが始まり、多くの国民が投資を始めました。 しかし、その投資先の多くは「S&P500」や「オルカン(全世界株式)」といった、海外(主にアメリカ)の株式です。
皆さんが将来のために投資したお金が、結果としてアメリカ企業を潤し、アメリカ経済を強くしている。 個人の資産形成としては正解かもしれませんが、日本経済全体で見れば、資金が海外へ流出していることに他なりません。
NTTの「IOWN(アイオン)」構想のような、世界をリードできる可能性を秘めた日本技術や、スタートアップ企業に、もっと国内の資金が回るような仕組みを作らなければなりません。 「日本企業に投資したい」と思わせるような魅力的な市場環境を整えること。これも政治の大きな責任です。
3. ユーザーとしての賢い選択
最後に、私たち一人ひとりの行動です。 もちろん、便利な海外サービスを無理に止める必要はありません。 しかし、代替可能なサービスがあれば、国産のものを選んでみる。 例えば、ビジネスチャットならSlackではなくChatworkやLINE WORKSを検討してみる、といった小さな選択の積み重ねが、日本のデジタル産業を支える力になります。
おわりに:デジタル敗戦からの逆襲
今日は少し難しい経済の話になりましたが、「デジタル赤字」の問題は、私たちの財布の中身と直結している話です。
私がSpotifyを選んだのは、現状の利便性と発信力を優先した苦渋の決断でもあります。 しかし、政治家としては、いつか「やっぱり日本のプラットフォームが一番だね」と言って戻ってこられるような、強いデジタル産業を育てたい。 そのために、国産クラウド支援やスタートアップ育成といった政策を、デジタル大臣政務官として全力で推し進めていきます。
負けたままでは終われません。
デジタル敗戦からの逆襲。そのための種まきを、今ここから始めていきましょう。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 それでは、また次回のログでお会いしましょう。










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