2/20地方創生実現のための公共交通ネットワークの再構築を目指す議員連盟総会
- HIDETO KAWASAKI

- 55 分前
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こんにちは、衆議院議員の川崎ひでとです。
2026年2月20日、国会内にて「地方創生実現のための公共交通ネットワークの再構築を目指す議員連盟」の第23回総会が開催されました。
地方において、人口減少や高齢化、そして深刻な運転手不足は、もはや「将来の不安」ではなく「目の前の危機」です。従来の「民間バス会社に任せておけばいい」というモデルは、すでに限界を迎えています。
地域にある「輸送資源」を余すことなく使い倒し、いかにして住民の足を守り抜くか。
本日は国土交通省をはじめ、文部科学省、スポーツ庁、厚生労働省といった関係省庁を交え、議論が行われました。私自身がぶつけた問いと、日本の公共交通の未来について、詳しくご報告します。
1. 深刻化する「交通空白」と、新たな挑戦
会議の冒頭、国土交通省の池光審議官より、地域交通を取り巻く厳しい現状が共有されました。
現在、全国には約2500箇所もの「交通空白」が存在しています。背景にあるのは、単なる利用者の減少だけではありません。深刻なのは「担い手」の不足です。バス運転手の数は右肩下がりで、それに伴い路線バスの廃止キロ数も急増しています。
一方で、地方では病院の統廃合や学校の適正配置が進み、生活の拠点が集約されています。住民にとっては「以前よりも遠くまで移動しなければならない」のに、「移動するための手段が消えていく」という、極めて過酷なミスマッチが起きているのです。
この危機を打破するために政府が提出を予定しているのが、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」です。この法律案のもと、既存の輸送資源をフル活用する仕組みづくりが本格化します。
2. 省庁の壁を越えた「車両の共同利用」
今回の法律案および施策の目玉は、これまで「縦割り」で管理されてきた車両を、地域の足として開放することです。
■スクールバスの一般開放(文部科学省・スポーツ庁)
文部科学省の初等中等教育局からは、学校の適正規模・適正配置に向けた議論の状況が報告されました。通学距離が伸びる中でスクールバスの重要性は増していますが、これを「子供の通学のためだけ」に使うのではなく、教育委員会と首長部局がしっかり連携し、地域一体となった交通手段として活用する方針が示されました。
また、スポーツ庁からは「部活動の地域移行」に伴う課題が提起されました。拠点校や地域クラブへの移動の際、スクールバスや既存車両を有効活用することで、保護者の送迎負担を軽減し、子供たちの活動を支える仕組みづくりが全国で始まっています。
■福祉・介護車両の活用(厚生労働省)
厚生労働省からは、介護保険事業所が持つ送迎車両の活用事例が紹介されました。三重県名張市の例では、有償ボランティアが住民の買い物や通院を支えています。
また、滋賀県野洲市では、デイサービスの車両を共同運行化し、空き時間に高齢者の買い物支援に充てる「ご一緒やす」という画期的な取り組みが行われており、国交省のプロジェクトとも連携しています。
3. 私の問い:現場が直面する「3つの壁」
こうした素晴らしい理念を全国に広めるためには、現場で必ずぶつかる「制度の壁」を壊さなければなりません。私からは、担当者に以下の3点を中心に、現場の切実な声をぶつけました。
①「運賃」と「持続可能性」の壁
スクールバスや福祉車両を一般利用する際、対価(運賃)をどう設定するかは、事業の継続性に直結します。現在、公共ライドシェア等の枠組みでは、タクシー運賃の8割程度まで受領可能とするなど柔軟な対応が進んでいますが、安かろう悪かろうではなく、バス事業者の賃上げにもつながる適正な価格設定の重要性を指摘しました。
②「決済」と「データ」の壁
運賃を取るとなれば、決済手段が必要です。既存のスクールバスや福祉車両には運賃箱がありません。私は、「距離に応じた運賃設定を行う際、決済端末の導入にどのような補助があるのか」を問いました。また、単に支払うだけでなく、マイナンバーカード等と連携して「誰が、どこで乗ったか」というモビリティデータを収集・解析できなければ、最適な運行ルートへの修正ができないことも強調しました。
③「社会福祉法人」の法的制約
社会福祉法人が所有する車両で一般から運賃を取る場合、それが収益事業とみなされて制度に抵触しないかという懸念があります。これに対し厚労省からは、法人の事業目的や経理処理の観点から、地域交通に貢献できるような整理を進めていく旨の回答を得ました。
4. 「人」の問題と次世代技術への期待
議論は車両だけでなく、「担い手をどう確保するか」という最大の問題にも及びました。
二種免許と柔軟な働き方:タクシー運転手などが「スポット(単発)」で働けるような仕組みや、二種免許取得への支援、外国人ドライバーの活用など、担い手を確保するための多角的な施策が議論されました。
自動運転の社会実装:レベル4の自動運転は、地方の山間部こそ必要です。山間部特有の課題(倒木や路面状況)をクリアしながら、いかに損益分岐点を見出していくかが今後の鍵となります。
5. 結びに:東京も地方も、「移動の自由」を諦めない
今回の議連に参加して再確認したのは、公共交通の問題はもはや単なる「交通政策」ではなく、地域の「生存戦略」だということです。
期待の新人・門ひろこ議員から、東京においても、南北の移動が不便な「区界の交通空白」などの問題が存在するとの意見がありました。都市部特有の課題と地方の課題。これらを切り分けるのではなく、今回議論した「輸送資源のフル活用」という考え方を共通の武器として戦っていく必要があります。
5年後、10年後、「年をとって免許を返納したら、どこにも行けなくなった」という悲鳴を一人でも減らしたい。
私はこれからも、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」の成立とその後の確実な実施を通じ、省庁の壁をぶち破り、誰もが自由に移動できる日本を創るために全力で取り組んでまいります。
皆さまの周りの交通課題についても、ぜひお声を聞かせてください。










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