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【ホンネ会議#42】さらばApple税?スマホ新法がもたらす「自由とリスク」

この記事は、Spotifyビデオポッドキャスト「川崎ひでとのホンネ会議」をAIで要約したものです。

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皆さん、こんにちは。衆議院議員、そしてデジタル大臣政務官の川崎ひでとです。

『川崎ひでとのホンネ会議』、今回もスタートです!


今日は12月13日、土曜日です。


週末、議員は地元で活動をしているかと思うのですが、私は今、東京の自宅におります。というのも、今日は「在京当番」の日なんですね。


我々国会議員、特に政務三役(大臣・副大臣・政務官)には、首都直下型地震などの緊急事態や有事が発生した際に、直ちに官邸や省庁に駆けつけられるよう、東京23区内に待機しなければならない当番の日が割り当てられます。今日がまさに私の担当日です。



23区から出られない縛りと、地元に戻れない焦り・もどかしさがありますが、これも国の危機管理を担う重要な職務です。夜になって、交代要員である今枝宗一郎副大臣にバトンタッチしたら、その足で最終電車に飛び乗り、地元の三重県に戻ろうと画策しているところです。


さて、そんな東京の自宅からお届けする今回のホンネ会議。



テーマは、以前から「これは絶対に解説しなければならない」と思っていた、日本のデジタル市場における超特大トピックについてです。


その名も、「スマホ新法」。

正式名称を「 #スマートフォンソフトウェア競争促進法 」と言います。


いよいよ来週、2025年12月18日からこの法律が施行されます。



「法律の話? なんだか難しそうだな……」と思ってブラウザバックしようとしたそこのあなた、ちょっと待ってください。



これは、皆さんが毎日、肌身離さず持ち歩いているスマートフォンの「中身」が、ガラッと変わるかもしれない、ものすごく大きな話なんです。皆さんの生活、お財布事情、そしてセキュリティに直結する話です。


今日はこの法律について、デジタル政務官の視点から、そしてこの法律の成立に誰よりも情熱を注いだ先輩議員のエピソードも交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。



⒈なぜ今、国が「スマホ」に介入するのか?


まず、そもそも論から始めましょう。


なぜ国がわざわざ新しい法律を作ってまで、民間のビジネスであるスマートフォンの世界に介入するのでしょうか?

「自由に商売させればいいじゃないか」という意見もあるかもしれません。



しかし、現状は「自由な競争」が阻害されていると言わざるを得ない状況にあります。


答えはシンプルです。「競争がないから」です。



皆さんのスマホを見てください。OSは何が入っていますか?

「iPhone(iOS)」か、「Android」のどちらかですよね。


アプリをダウンロードするとき、どこを使いますか?

「App Store」か、「Google Play」ですよね。


検索するとき、標準で動くのは何ですか?

「Safari」か、「Google Chrome」ですよね。



そう、スマートフォンの基本機能(OS、アプリストア、ブラウザ、検索エンジン)は、事実上、AppleとGoogleという、アメリカの巨大IT企業2社による「寡占状態(実質的な独占状態)」にあるのです。


もちろん、この「2強体制」には良い面もありました。



AppleやGoogleが「門番」としてアプリを厳しく審査・管理してくれるおかげで、私たちユーザーは、ウイルスまみれの危険なアプリを掴まされるリスクを最小限に抑えられてきました。OSとアプリの連携もスムーズで、使い勝手が良い。私自身、一人のユーザーとしては、その恩恵を十分に受けてきたと感じています。


しかし、その一方で「弊害」も無視できなくなっていました。


世界中のアプリ開発者やスタートアップ企業から、悲鳴にも似た不満の声が上がっていたのです。


⑴「30%手数料」という高い壁(いわゆるApple税・Google税)

アプリ開発者は、売上の約30%という非常に高額な手数料をプラットフォーム側(AppleやGoogle)に支払わなければなりません。これはビジネスをする上での「ショバ代」としてはあまりに高額です。利益が圧迫され、新しいサービスを開発する体力が奪われてしまいます。


⑵イノベーションの阻害

「こういう画期的なアプリを作りたい!」と思っても、プラットフォーム側が「それはウチのルールに合わないからダメ」「似たような機能をOS標準で出すからダメ」と言えば、それで終わりです。自由に開発できない環境が、新しい技術やアイデアの芽を摘んでいるのではないか。


このままでは、利用者の選択肢も狭まり、日本の、いや世界のデジタル社会全体の発展が止まってしまう。



そんな危機感が世界中で高まり、EU(欧州連合)での動きなどを皮切りに、日本でもこの新法が作られることになったのです。



⒉法案成立の立役者・小林史明先輩の闘い


ここで、どうしても触れておきたいことがあります。

この「スマホ新法」、実は私の尊敬する自民党の先輩議員である、小林史明(広島6区)さんが中心となって汗をかき、形にしてくれたものです。


巨大IT企業、それも世界を牛耳るAppleやGoogleを相手に、「もっと市場を開放しろ」と迫る新しいルールを作る。これは並大抵のことではありません。



当然、彼らからのロビー活動や反発もあったでしょうし、セキュリティとの兼ね合いなど、調整すべき課題は山積みでした。



しかし、小林史明さんは「日本のデジタル市場の健全な発展のためには、ここで競争環境を整えなければならない」という強い信念のもと、自民党内のプロジェクトチームを率い、私のこともお誘いいただき、関係省庁や事業者と粘り強く調整を重ねてこられました。



私がこうして政務官として解説できるのも、小林先輩をはじめとする先輩方が、道なき道を切り拓いてくれたおかげです。


この法律には、そんな政治家たちの熱い想いが詰まっているということを、ぜひ皆さんに知っておいていただきたいです。



⒊「スマホ新法」で変わる4つの劇的変化


では、いよいよ中身の話です。


今回の法律の対象となるのは、「指定事業者」と呼ばれる巨大IT企業。具体的には、基本ソフト(OS)などのシェアが高く、月間利用者数が4000万人以上の事業者です。現時点では、AppleとGoogleの2社のみが指定されます。



この2社に対し、「もっと門戸を開放して、誰でも競争できるようにしなさい」と義務付けるのが、この法律の正体です。


12月18日から具体的に何が変わるのか。私たちの生活にどう影響するのか。ポイントを4つに分けて、徹底的に深掘りします。


⑴アプリ入手の自由化(サードパーティ・ストアの解禁)

これが一番大きな変化かもしれません。

これまでは、iPhoneなら「App Store」、Androidなら「Google Play」からしかアプリをダウンロードできませんでした 8。これが「当たり前」だと思っていませんでしたか?

しかし、これからはこの制限をかけることが禁止されます。


つまり、iPhoneユーザーであっても、App Store以外の「別のアプリストア(マーケットプレイス)」からアプリをダウンロードできるようになるんです。


これが何を意味するかというと、例えば日本のゲーム会社や通信キャリア、セキュリティ会社などが、独自の「アプリストア」を作れるようになるということです。


「ウチのストアなら、手数料が安いからアプリの値段も安いですよ」


「ウチのストアは、子ども向けの安全なアプリしか置いていませんよ」



といった具合に、ストア同士の「競争」が始まります。

今までAppleやGoogleの一存で削除されていたようなニッチなアプリや、手数料の問題で撤退していたサービスが、別のストアで復活するかもしれません。多様な文化が花開くきっかけになるでしょう。



⑵決済手段の自由化

アプリでお金を払うときの話です。

これまで、アプリ内での課金やサブスクリプションの購入は、AppleやGoogleが用意した決済システムを使うことが事実上強制されていました。

これに対し、開発者は高い手数料を払わなければならず、その分、ユーザーへの提供価格も高く設定せざるを得ませんでした。

私が配信している音声プラットフォーム「Voicy」のプレミアムリスナー登録なども良い例です。


「アプリから登録すると月額〇〇円だけど、Webブラウザから登録すると少し安い」という現象、見たことありませんか? あれは、「アプリ経由だとAppleに高い手数料を払わないといけないから、その分値段を高くせざるを得ない。Web経由なら手数料がかからないから安くできる」という事情があったのです。


今回の法律により、アプリ事業者は独自の決済システム(例えばPayPayや楽天ペイ、クレジットカード直接決済など)を自由に導入できるようになります。



手数料負担が減れば、その分が利用料金に還元され、アプリの課金アイテムや月額料金が安くなる可能性が大いにあります 13。これはユーザーにとって直接的なメリットですね。



⑶ブラウザと検索エンジンの選択制(チョイススクリーンの導入)


iPhoneを買って最初にネットを見ようとすると、必ず「Safari」が立ち上がりますよね。

「ブラウザってSafari以外にあるの?」と思っている方もいるかもしれません。

これからは、スマホの初期設定のタイミングなどで、

「どのブラウザを使いますか?」

「検索エンジンは何にしますか?」


と、ユーザー自身が選べる画面(チョイススクリーン)が表示されるようになります。

「自分はPCでChromeを使っているから、スマホもChromeにしたい」

「プライバシー重視の検索エンジンを使いたい」



といったユーザーの好みに合わせて、主体的に選べるようになるわけです。

これにより、SafariやGoogle以外のブラウザ・検索エンジンにもチャンスが生まれ、より使いやすく、より高機能なサービスが開発される競争が加速するでしょう。



⑷ データ移行の円滑化とOS機能の開放


「今のスマホから別の機種に乗り換えたいけど、データの移行が面倒くさい……」

そう思って、なんとなく同じOSのスマホを使い続けている人も多いのではないでしょうか。


今回の法律では、OSの機能開放やデータポータビリティ(データの持ち運び)が義務付けられます。



これにより、「iPhoneからAndroidへ」、あるいは「AndroidからiPhoneへ」の乗り換えが、今よりもっとスムーズに、簡単に行えるようになります。



また、マイナンバーカード機能などのスマホ搭載機能についても、サードパーティのアプリが平等にアクセスできるようになるため、行政手続きアプリなどの利便性も向上することが期待されます。


「一度入ったら抜け出せない(ロックイン)」状態が解消され、ユーザーがその時々で一番良い端末やOSを自由に選べるようになるのです。



⒋自由には「責任」と「リスク」が伴う


ここまで、「自由になる」「安くなる」「便利になる」というポジティブな側面をお話ししてきました。

しかし、物事には必ず裏と表があります。

デジタル政務官として、そして一人のITユーザーとして、この法律によって生じるかもしれない「リスク」についても、ホンネでお話ししておかなければなりません。

それはズバリ、「セキュリティ」の問題です。


これまでは、AppleやGoogleという巨大企業が、莫大なコストをかけて「門番」の役割を果たしてくれていました。


「App Storeにあるアプリなら、まあ変なウイルスは入っていないだろう」

「課金してもカード情報が抜かれることはないだろう」



という安心感は、彼らの厳しい審査と管理のおかげだったわけです。いわば、美しく整備された「安全な庭(ウォールド・ガーデン)」の中で遊んでいたようなものです。



しかし、これから「庭」の壁が取り払われます。


誰でも参入できるようになった結果、もしセキュリティ対策が甘い「粗悪なアプリストア」が登場したらどうなるでしょうか?


「有料アプリがタダで手に入る!」なんて甘い言葉に釣られて、怪しいストアからアプリをダウンロードしたら、実はスマホの中身を盗み見るウイルスが入っていた……なんて事態も起こり得ます。



もちろん、法律の枠組みでも、新規参入のストア事業者には一定のセキュリティ確保を求めていますし、AppleやGoogleも引き続きOSレベルでの防御は行うでしょう。



しかし、これまでのように「何も考えなくても100%安全」というわけにはいかなくなるかもしれません。



私たちユーザーも、「自由」を手に入れる代償として、

「このアプリストアは信頼できる運営元か?」

「この決済方法は安全か?」

ということを、これまで以上に自分の頭で考え、判断する「リテラシー」が求められる時代がやってきます。

「安さ」や「便利さ」だけで飛びつくのではなく、安全性を天秤にかける賢さが重要になってくるのです。



⒌終わりに:デジタル社会の新しい幕開け


いかがでしたでしょうか。

「スマホ新法」は、単なる業界のルール変更ではありません。



小林史明先輩をはじめとする政治家たちが、「日本のデジタル市場をもっと面白く、もっと便利にしたい」という執念でこじ開けた、新しい「開国」の扉です。

12月18日以降、すぐに世界が変わるわけではないかもしれません。



しかし、この扉が開いたことで、日本のスタートアップ企業やエンジニアたちが、これまでにない面白いサービスや、世界を驚かせるようなアプリを生み出してくれることを、私自身も心から楽しみにしています。



変化には不安もつきものですが、正しい知識を持って、この新しいデジタルの波を乗りこなしていきましょう。


政府としても、皆さんが安心して競争のメリットを享受できるよう、引き続きしっかりと監視・監督を行ってまいります。

というわけで、今日の『川崎ひでとのホンネ会議』は、目前に迫ったスマホ新法について、


先輩へのリスペクトと少しの懸念を込めて、ガッツリ解説させていただきました。

夜の電車で三重に帰ったら、明日はまた地元での活動です。

かなり寒くなってきましたので、皆さんも体調にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。

それではまた次回。じゃあね!

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