【毎週ヒデトーク】なぜ人はディズニーランドに何度も行くのか?―伊賀忍者と「君の名は。」に学ぶ、観光“リピーター”の作り方
- anymama0274
- 13 分前
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この記事は、stand.fmにて配信している
「川崎ひでとの【ひでトーク】」を 生成AIを用いて要約したものです。
また、この放送のMCは
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MCの皆さんとは業務委託という形で、
しっかりお仕事としてご一緒させていただいています。
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皆さん、こんにちは。衆議院議員の川崎ひでとです。
今回の「毎週ヒデトーク」のゲストMCは、お馴染みの「いっちー」さんです。いっちーさんは、なんとご自宅からディズニーランドまで電車で1時間もかからない場所に住んでいて、若い頃は年間パスポートで「週一」通っていたという、まさにディズニーの達人です。
なぜ、今日はいきなりディズニーランドの話から始めたのか。それには理由があります。
先日、私の地元の三重県伊賀市で、観光協会の方々と会合を持つ機会がありました。今、コロナ禍が明け、全国の観光地ではインバウンド(海外からの観光客)が急増しています。しかし、実のところ、三重県には海外からのお客様も、そして国内のお客様も、期待したほど増えていない、という厳しい現実を伺いました。
伊賀市といえば「忍者」。その忍者をテーマにした立派な体験施設も最近新設したにもかかわらず、どうも起爆剤になっていないようなのです。
「どうすれば、人は何度も同じ場所を訪れてくれるのだろう?」
この観光業における最大の課題を考えていた時、私はふと、素朴な疑問に行き着きました。
「なぜ、みんなあんなに何回もディズニーランドに行くんだろう?」と。この疑問を観光協会の方々に投げかけたところ、結局40分間その話で盛り上がったものの、明確な答えは出ませんでした。
そこで今日は、この「リピーター集客の謎」について、ディズニーの達人であるいっちーさんと一緒に、改めて深く掘り下げてみたいと思います。
「ネタバレ」しているのに、なぜ人は惹きつけられる?
私がいっちーさんにまず聞いたのは、「アトラクションは一度乗れば“ネタバレ”してしまうのに、なぜ年パスを持ってまで行くのか?」ということでした。
すると、いっちーさんからは、私の想像を超えた答えが返ってきました。「たくさん行っていた頃は、アトラクションよりも『ショー』を見ていましたね」。
エレクトリカルパレードのようなパレードはもちろん、パーク内の各所にあるショーベースで、一日に同じショーを三回も見ることがあったそうです。毎回、新鮮に楽しめた、と。
さらに、もう一つの面白い視点を教えてくれました。それは「ステータス」だというのです。「私、こんなにディズニーのこと知ってるよ」「詳しいことを教えてあげられる人」という、ある種の知識や経験が、行くこと自体の動機付けになっているのではないか、ということでした。
この話を聞いて、私は自分自身の幼少期を振り返りました。我が家では、夏休みといえば毎年必ず「富士急ハイランド」でした。もちろん楽しかった記憶はあるのですが、「なぜ毎年同じ場所だったんだろう?」と問われると、正直、何がそんなに楽しかったのか、具体的には思い出せないのです。
いっちーさんは、それを「特別感ではないか」と分析します。夏休みに家族で泊まりがけで行く。いつもは買ってもらえないようなものを食べたり、少しハメを外したりする。その「家族との思い出」や「旅行という非日常体験」そのものが、富士急ハイランドという場所の価値を高めていたのではないか、と。
確かに、その通りかもしれません。しかし、いっちーさんのお父様が旅行好きで、幼少期に毎年「お寺巡り」に連れて行かれたそうですが、それは「全然面白かった記憶がない」そうです。当時は京都のお寺の良さなど分からなかった、と。同じ「リピート訪問」でも、片や熱狂的なファンを生み出し、片や苦痛な記憶(?)になっている。この差は一体どこにあるのでしょうか。
観光の鍵は「IPコンテンツ」にあり
ここで一つの仮説が浮かび上がります。それは、熱狂的なリピーターを生み出す観光地には、強力な「IPコンテンツ(知的財産)」が存在するのではないか、ということです。ディズニーランドが持つ「ミッキーマウス」という絶対的なIP。
そして、日本が世界に誇る「スタジオジブリ」。『となりのトトロ』や『天空の城ラピュタ』。私たちは、金曜ロードショーで「何回再放送してるんだ!」と思うほど繰り返し見ているのに、それでも毎回見てしまいます。
この「強力なIP」が、観光と結びついた時、爆発的な力を発揮します。いわゆる「聖地巡礼」です。
最近の分かりやすい例では、アニメ『スラムダンク』のオープニングシーンに登場した鎌倉の駅に、海外、特に中国からの観光客が殺到し、車が通れないほどになる「オーバーツーリズム」が社会現象にもなりました。
また、少し前には、ドラマ『silent』で目黒蓮さんと川口春奈さんが再会した駅に、若い女性が殺到したという話もありました。
彼ら、彼女たちは、ただ「きれいな景色」を見に来ているのではありません。アニメやドラマで見た「あのシーン」と同じ場所に立つという「答え合わせ」をしに来ているのです。
この「答え合わせ」という体験こそが、観光客に強烈な動機を与え、リピート訪問に繋がるのではないか。私はそう分析しています。
伊賀忍者の「惜しかった」―『君の名は。』と伝統工芸
さて、この「IPコンテンツ」という視点で、我が三重県・伊賀市の「忍者」を振り返ってみましょう。
「忍者のアニメって、そういえば最近ないな」と私は思いました。いっちーさんが挙げてくれた『忍者ハットリくん』は、あまりにも世代が古すぎます。
皮肉なことに、忍者とは全く縁のないはずの「浅草」に忍者屋敷があり、そこに多くの外国人が集まっているという現実があります。
これは、伊賀市が「本物の忍者」という素晴らしいコンテンツを持ちながら、それを世界に届く「IP(物語)」として発信しきれていない、ということではないでしょうか。そして、伊賀市が逃した「最大のチャンス」が、実はもう一つあります。
あの大ヒット映画『君の名は。』です。映画の中で、主人公の女の子が髪を結んでいた、あの印象的な「組紐(くみひも)」。あれこそ、伊賀が誇る伝統工芸品なのです。
しかし、伊賀市は、この千載一遇のチャンスに乗り遅れました。
『君の名は。』の聖地巡礼といえば、多くの人が思い浮かべるのは、東京の、あの電車がすれ違うシーンの場所です。本来であれば、あの組紐をフックに、「本物の組紐が体験できる場所」として伊賀に人を呼び込めたはずなのに、非常にもったいないことをしたと、私は感じています。
「モノ」を作るな、「物語」を作れ
この一連の議論から、日本の観光産業が陥りがちな一つの「罠」が見えてきます。
それは、「立派な施設(モノ)を作れば、人は集まるだろう」という発想です。
伊賀の忍者体験施設も、この発想から抜け出せていないのかもしれません。立派な施設を作れば、当然、それを維持するためのお金がかかります。すると、「年間何万人の集客が必要だ」という計算が先に立ち、思い切った投資ができず、結果として中途半端な規模のものができてしまう。これは、全国の「ハコモノ行政」に共通する課題です。
そうではないのです。
『スラムダンク』の鎌倉も、『silent』の駅も、彼らは新しい施設など何も作っていません。「すでにあるもの」を活用しただけです。必要なのは、立派な施設(モノ)ではなく、そこを訪れるための「台本(ストーリー)」なのです。
IPコンテンツ(アニメ、ドラマ、映画)を通じて、まず世界中の人々に「物語」を届け、認知してもらう。そして、「あの物語の答え合わせをしたい」という強烈な動機を持って、日本に来てもらう。
この順番でなければ、持続可能な観光誘致は難しいのだと、いっちーさんとの議論を通じて確信しました。
観光立国の「もう一つの課題」―ホテルが足りない
とはいえ、仮に「忍者IP」が世界的に大ヒットし、伊賀に観光客が殺到したとして、もう一つ、私たちが直面するであろう深刻な問題があります。それは「宿泊施設(ホテル)が足りない」という問題です。
現に、私の地元の鈴鹿市には鈴鹿サーキットがあり、F1の時期には多くの人が訪れます。しかし、市内に宿泊施設が足りないため、観戦客は名古屋や京都のホテルに泊まり、そこから通うのです。これでは、せっかく地元に来てくれても、地域にお金が落ちません。
かといって、ホテル産業は非常に難しく、コロナ禍で多くのホテルが潰れた一方で、今は需要が急回復して東京のホテル代は異常なほど高騰しています。この需要の波に対応しながら経営を維持するのは、並大抵のことではありません。
三重県を、伊賀市を、本当に「選ばれる観光地」にするためには、強力なIPコンテンツを世界に発信するという「ソフト面」の戦略と同時に、国内外からのお客様をしっかり受け止めるホテルなどの「ハード面」のインフラ整備、この両輪を同時に進めていく必要があるのです。
いっちーさん、今週も非常に示唆に富んだお話をありがとうございました。










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