国頼みの伊賀市財政、このままで未来は守れるのか
- HIDETO KAWASAKI

- 7月7日
- 読了時間: 4分
皆様、こんにちは。夏バテしてない?
さて、伊賀にお住まいの皆様は、伊賀市の財政の現実をご存知だろうか。
見た目はのどかな城下町。しかし、その財政の裏側は「自立できない町」の象徴のような姿を晒している。
伊賀市は国(地方交付税)頼みの財政運営で成り立っており、自前で稼ぐ力が決定的に足りていない。これが現実だ。
伊賀市の地方交付税依存度は突出している
例えば、令和5年度(2023年度)、伊賀市は約110億円もの地方交付税(普通+特別)を受け取っている。他市と比べてどれだけ多いか。
・伊賀市:約110億円
・名張市:約64億円
・亀山市:約26億円
・鈴鹿市:約53億円
人口規模では鈴鹿市は伊賀市の2倍以上いるのに、受け取っている交付税は伊賀市の半分程度しかない。
これは、「伊賀市はすごい!たくさん交付税を貰えている」ではなく、
伊賀市は「財政的に自立できず、国からの補填で予算を維持している」という構図だ。
人口1人あたりの交付額を見ればその深刻さがさらに鮮明だ。
・伊賀市:約128,000円/人
・名張市:約85,000円/人
・亀山市:約52,000円/人
・鈴鹿市:約27,000円/人
伊賀市は鈴鹿市の約5倍もの額を、1人当たりで受け取っている。
なぜか?答えはシンプルだ。伊賀市には稼ぐ力がないから。
財政力指数が低すぎる現実
地方交付税は、国が「税収の弱い自治体」を救う仕組みだ。
交付額が多いのは一見“良いこと”に見えるが、裏を返せば「自分たちで必要な予算を稼ぐ力がない」という烙印である。
伊賀市の財政力指数は長らく低空飛行を続けている。地方交付税がなければ、行政サービスの維持はおろか、職員の給与すら払えない年もあっただろう。
私は、政治家になって以来、毎年総務省に特別交付税の増額を伊賀市長とともに行ってきた。結果として大きな金額をいただき、後援会の皆様からは感謝を述べられることがある。
ただ…これが本当に良い姿か?そんなことはない。
「地場産業を育てる」「税収を増やす」「移住者を増やす」──こうした地道な努力を重ねてきたか。答えは残念ながら「NO」だ。
野党が叫ぶ“減税”の先にあるもの
最近、野党が声高に「減税!減税!」と叫んでいる。
だが考えてほしい。仮に消費税減税や地方税減税が実施された場合、どうなるのか。
国の税収が減る → 地方交付税の原資も減る → 伊賀市の財源が減る
これが現実だ。
自力で稼ぐ力がない伊賀市は、減税による地方交付税原資の減少が直撃する。つまり、野党の言う「減税」は、地方の自立できない自治体にとっては死刑宣告に等しい。
「減税万歳!」と喜んでいられる立場には伊賀市はないのだ。
そして、「地方交付税が減らないように財源を政府が考えろ」と丸投げしてきている野党。投げられたら、政府はたまったもんじゃない!無責任にも程がある。
現市長の財政運営に未来はあるのか
伊賀市長は、この国頼みの財政構造を打破するビジョンを示せているのだろうか。
残念ながら、その兆しは見えない。市の広報を見ても、聞こえてくるのは「地域の声を大切に」「多様性を尊重」「やさしいまちへ」という耳触りの良い言葉ばかりだ。
だが、市政運営において最も大切なのは「財源をどう確保するか」「地域経済をどう強くするか」だ。
伊賀市の未来を紡ぐためには、観光振興だけでは足りない。中小企業の立地支援、移住者の呼び込みだけでも足りない。産業を育て、雇用を生み出し、税収を増やす政策こそ必要なのだ。
だが今の伊賀市政には、その具体策がない。むしろ「国頼みを続ける以外に道がない」と言わんばかりの空気すらある
このままでは、伊賀市は“存続できない”
声を大にして言いたい。
このままでは、伊賀市は存続できない。
国頼みの財政運営は、国の財源が潤沢であれば続けられる。だがこれから先、少子高齢化・社会保障費の増大等により、国の財政も余裕がなくなる。
そのとき真っ先に削られるのは、交付税や公共事業だ。
国頼みで生きてきた自治体は、国の都合でいつでも切られる。(無論そうならないように最大限努力をしたいが、一政治家ではどうすることもできない壁がある)
伊賀市がその最前列に並んでいることを、もっと知るべきだ。
私たちにできること
伊賀市の未来を守るために必要なのは「自立のための行動」だ。
✅ 市税収を増やすための企業誘致と雇用創出
✅ 市場原理を取り入れた行財政改革
✅ 公共施設の統廃合など支出構造改革
✅ 移住者・関係人口増加策の戦略的推進
これらをやらずに「国が守ってくれるだろう」と思うのは、あまりにも無責任だ。
そして市民一人ひとりが「自分のまちの財政がどうなっているのか」を知ることが、自立の第一歩である。
「伊賀市は国頼みで、現市政の財政運営には未来がない。」
この現実を直視し、私たちが声を上げなければ、伊賀の未来は紡げない。
“優しいだけの市政”では、生き残れない時代がすぐそこまで来ている。










コメント