【毎週ヒデトーク】「減税すれば給料が上がる」は本当か?英国の失敗に学ぶ、物価高対策の落とし穴
- anymama0274
- 9月24日
- 読了時間: 6分
音声配信はコチラから
この記事は、stand.fmにて配信している
「川崎ひでとの【ひでトーク】」を 生成AIを用いて要約したものです。
また、この放送のMCは
働くママを応援する事業支援サービス「Anymama」さん登録のメンバーの皆さんです。
MCの皆さんとは業務委託という形で、
しっかりお仕事としてご一緒させていただいています。
今週の配信もぜひ聞いて・読んでみてくださいね。
皆さん、こんにちは。衆議院議員の川崎ひでとです。 この収録を行っている8月18日、厳しい暑さが続いています。 先週のポッドキャスト「毎週ヒデトーク」では、ゲストのいっちーさんと共に、物価高がなぜ起きているのか、その3つの大きな原因についてお話ししました。 今週は、その続編です。この困難な物価高に対し、私たち自民党・公明党、そして立憲民主党や国民民主党といった野党が、それぞれ何を考え、どう乗り越えようとしているのか。その「アプローチの違い」について、私の視点も交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
目指すゴールは同じ、しかし道筋が全く違う まず、大前提としてお伝えしたいことがあります。それは、「国民の皆さんの給料を上げる(賃上げ)」という最終的な目標は、実は与党も野党も全く同じだということです。すべての政党が、皆さんの暮らしを豊かにしたいと願っている。ここは共通の認識なのです。
では、何が違うのか。それは、ゴールに至るまでの「道筋(アプローチ)」です 。
先日、私用でシンガポールとパリを訪れたのですが、あまりの物価の高さに衝撃を受けました。シンガポールでは、ポテトチップス一袋が千円もするのです。これは、単に海外が高いのではありません。円安と、30年間上がらなかった日本の給料水準によって、
日本の「買う力(購買力)」が世界の中で著しく低下してしまったことの証です。
モノの値段を下げることに固執するのではなく、むしろ今の価格が当たり前だと思えるくらい、私たち自身のお財布、つまり給料を増やしていくことこそが、物価高に対する本質的な解決策だと私は考えています。
この「給料をどう上げるか」という問いに対して、与野党のアプローチは大きく二つに分かれます。
・野党のアプローチ:「減税」で家計を直接支援
立憲民主党や国民民主党などが主に主張しているのが「減税」です。消費税やガソリン税を引き下げれば、皆さんが税金として支払う分が減り、手元に残るお金が増えます。その増えたお金で買い物をしてもらえば、経済が回り始めるのではないか、というのが彼らの考え方です。
・与党のアプローチ:「成長と分配」で企業の賃上げを促す 一方で、私たち自民党・公明党が目指すのは、まず企業が儲かる環境を整えることです。企業が新しい設備投資をしたり、生産を増やしたりする際に、補助金や減税で後押しをする。そうして企業が稼いだ利益を、きちんと社員の皆さんに給料として還元(分配)してもらう。岸田政権が掲げた「成長と分配」という考え方です。
「減税」という甘い罠 ― 2022年、イギリスで起きた悲劇
一見すると、直接手元にお金が残る「減税」は、非常に魅力的に聞こえます。しかし、私はこの政策には大きなリスクが伴うと考えています。なぜなら、前回の放送でもお話しした通り、今は異常気象などの影響で、そもそも世の中の「モノ」の数が不足している状況だからです。夏野菜や魚が十分に獲れない。そんな「モノ不足」の状態で減税を行い、みんなが使えるお金だけを増やしてしまうと、何が起こるでしょうか。
少ない商品を、多くの人が欲しがることになります。そうなると、キャベツ一玉を「私は500円で買う」「いや私は千円出す」といった競争が始まり、モノの値段はかえって釣り上がってしまうのです。物価高対策のはずの減税が、さらなる物価高を招くという、本末転倒の結果になりかねません。
これは単なる空想ではありません。
2022年、イギリスで全く同じ政策が実行され、歴史的な大失敗に終わったという前例があるのです。
当時、イギリスの新しい首相に就任したリズ・トラス氏は、大規模な減税策を打ち出しました。消費税や社会保険料を下げれば、国民が豊かになり、経済が活性化するはずだ、と。しかし、現実は真逆でした。
将来への不安やモノ不足から、国民は減税されてもお金を使わず、消費は全く盛り上がりませんでした。その一方で、税収が激減したイギリス政府は、病院などを維持するためのお金がなくなり、国の借金(国債)を増やすしかありませんでした。
その結果、世界の投資家たちは「借金まみれのイギリスは信用できない」と判断し、一斉にイギリスの通貨であるポンドを売り始めます。急激なポンド安が起こり、輸入品の価格が高騰。減税策が、史上最悪レベルのインフレを引き起こしてしまったのです。
この政策は、国内外から猛烈な批判を浴び、国際通貨基金(IMF)からも異例の警告を受ける事態にまで発展しました。そして、リズ・トラス首相は
わずか44日間で辞任に追い込まれたのです。
国民の生活を賭けて、このような博打を打つわけにはいかない。これが、私たちが安易な減税に慎重な理由です。
選挙で語られない不都合な真実と、私たちに必要な「学ぶ力」
いっちーさんは対談の中で、「うますぎる話には、後でしっぺ返しが来ると思ってしまう」とおっしゃっていました。国が多額の借金を抱えていることは、多くの国民が知っています。目先の減税は、将来の増税や社会保障の削減に繋がるのではないか。そうした健全な感覚は、非常に重要です。
しかし、残念ながら選挙の場では、こうした政策のメリット・デメリットが丁寧に語られることは稀です。SNSなどで注目を集めるために、どうしても「減税万歳!」のような短く、聞こえの良いフレーズばかりが先行してしまう。税金が本来何のために使われているのか、という根本的な議論が置き去りにされがちなのが、今の日本の政治の大きな課題です。
この状況を乗り越えるために、私たち政治家が丁寧に説明責任を果たすことはもちろんですが、同時に、国民一人ひとりが「お金の勉強」をしていく必要があると強く感じます。国が新しいNISA制度などを通じて「貯蓄から投資へ」という流れを必死に作ろうとしているのも、国民全体で経済を学び、自国の成長を支えていこうというメッセージなのです。
目指すゴールは同じでも、その道筋は一つではありません。どちらの道が、より確実で、持続可能な未来に繋がるのか。聞こえの良い言葉に惑わされず、その裏側にあるロジックやリスクまで見極める力こそが、今の私たちに求められています。いっちーさん、今週も貴重な対話をありがとうございました。
コメント